分詞構文 分詞構文の基本


分詞構文とは?

<前回の内容>
分詞の慣用表現

 

前回は「分詞の慣用表現」を見ていきました。
今回は「分詞構文の基本」を説明していきましょう。

 

 

<分詞構文とは>

 

まずは分詞構文というのは何なのかというところから説明していきます。

 

分詞構文というのは、「if」や「when」などの従属接続詞を使っている文から接続詞を取り除いて書きかえる形です。

 

言葉では分かりずらいので例文で見てみましょう。

 

 

例1)
「When he saw the police officer, he ran away.」
(その男の人は警察官を見たときに、走り去りました)

 

この例文の最初の節を見てください。

 

 

「When he saw the police officer,」

 

この節のまずは接続詞をカットします。
   ↓ するとこうなります。

 

「he saw the police officer,」

 

 

ここの「he」と後の節の「he」は同じ人を指しているので、最初の方をカットします。
   ↓ するとこう変わります。

 

「saw the police officer,」

 

 

そして次に動詞「saw」に注目します。
この動詞に「ing」をつけてあげます。
   ↓ すると・・・

 

seeing the police officer,」

 

 

こう変わりました。
これを後ろの文とつなげると、

 

 

Seeing the police officer, he ran away.」
(警察官を見たときに、彼は走り去りました)

 

 

このようにして作った文が「分詞構文を使った文」になります。
ここまでの考え方が基本になりますが、よろしいですか。

 

 

「When he saw the police officer, he ran away.」
 ↓  ↓ ↓
 ×  × Seeing the police officer, 〜以下同じ

 

 

 

<ポイント>
・接続詞を消す。
・主語も後ろ(主節の主語)と同じなら消す。
・動詞をing形に変える。

 

 

こうなります。
では次の例文を見てください。

分詞構文こんな場合はどうするか?

例2)
「As Hiroshi felt tired, he went to bed early.」
(ヒロシは疲れを感じたので、早く寝ました)

 

 

この文も同じように分詞構文を使って書きかえてみます。
またここで使われている「as」は「〜なので」というbecauseの意味になっています。ポイントはこうでしたね。

 

 

<ポイント>
・接続詞を消す。
・主語も後ろ(主節の主語)と同じなら消す。
・動詞をing形に変える。

 

 

「As Hiroshi felt tired, he went to bed early.」

 

 

「As」
→「消える」
※接続詞だから。

 

「Hiroshi」
→「消える」
※後ろの「he」と同じ人だから。

 

「felt」
→「feeling」に変える。
※動詞はing形にするから。

 

 

こうして書きかえた文が・・・・

 

 

Feeling tired, he went to bed early.」

 

 

これで一応文ができあがりました。
しかし実は少し問題があります。
もう気づいているかもしれませんが、書きかえた文には元の文にあった「Hiroshi」という名前が無くなっていますね。

 

 

同一人物ということで消しました。
しかし元の文で「Hiroshi」と分かっていたのに、書きかえたら「he」で「男」ということしか分からなくなってしまうのは問題です。

 

 

 

ではどうしたら良いのか?

 

 

 

こういう時には後ろの「he」を「Hiroshi」に変えてあげます。

 

 

「Feeling tired, he went to bed early.」

 

   ↓

 

「Feeling tired, Hiroshi went to bed early.」
(疲れを感じたので、ヒロシは早く寝ました)

 

 

このように、例1ではどちらの主語も「he」となっていたので問題ありませんでした。

 

しかし例2では「Hiroshi」と「he」となっていたのでこのようなことも意識する必要があります。

 

 

 

<ポイント>
・節の主語が同じでも代名詞ではなく具体的に書いてあるときは、具体的な名前を残す。

 

 

 

また、ここまで説明したのは接続詞を使った文を分詞構文の形に書きかえるというものですが、逆の作業もできるようにして下さい。
つまり、

 

 

「Feeling tired, Hiroshi went to bed early.」

 

   ↓

 

「As Hiroshi felt tired, he went to bed early.」

 

 

こういうことができるようになるということです。
このときに一番問題になるのは、

 

 

「なんの接続詞を使うか」

 

 

ということです。
これは文の内容を考えて自分で判断することになります。
その際に、文によっては接続詞が一つではなく、いくつか当てはまるものが出るときがあります。

 

 

例えば例1の例文がそうです。

 

 

「Seeing the police officer, he ran away.」

 

 

この文は

 

「Seeing the police officer,」
(警察官を見る)

 

「he ran away.」
(彼は走り去りました)

 

 

この2つの情報からどんな接続詞を使うのか判断します。
例文では元々「When(〜のとき)」を使っていたので、

 

 

「彼は警察官を見たとき、走り去りました」

 

 

と考えて、「When he saw the 〜」としていますが、考えようによっては

 

 

「彼は警察官を見るとすぐに、走り去りました」

 

こう考えて「As soon as he saw the 〜」とすることも考えられますね。これではダメなのでしょうか?

 

 

いいえ、間違いではありません。
出題された問題で、

 

 

 

次の文を接続詞を使って書きかえなさい。
「Seeing the police officer, he ran away.」

 

 

このようになっている問題なら、さきほどのように「As soon as」を使って書きかえても正解になります。

 

別におかしな内容にはならないからです。
しかし、問題中に日本語訳が書いてあり、接続詞が指定されていたらもちろんダメです。こういうことです。

 

 

 

次の文を接続詞を使って書きかえなさい。
「Seeing the police officer, he ran away.」
(彼は警察官を見たときに、走り去りました)

 

 

これは当然ですよね。
「When」を使わないと意味がおかしくなってしまいますから。

 

 

<ポイント>
・分詞構文を使った文を接続詞を使って書きかえるとき、接続詞が
一つとは限らないこともある。

 

 

 

このように少しだけ注意するところはありますが、分詞構文の基本的なところは特に難しくないと思いますがどうでしょうか。

 

最後に今回のポイントをまとめておきます。

分詞構文 基本のまとめ



(ポイント)

 

<分詞構文の作り方>

 

・接続詞を消す。
・主語も後ろ(主節の主語)と同じなら消す。
・動詞をing形に変える。

 

 

「When he saw the police officer, he ran away.」
 ↓  ↓ ↓
 ×  × seeing the police officer, 〜以下同じ

 

 

 

<具体的な主語は残すように工夫する>

 

・節の主語が同じでも代名詞ではなく具体的に書いてあるときは、
具体的な名前を残す。

 

 

「As Hiroshi felt tired, he went to bed early.」
 ↓  ↓  ↓     ↓
 ×  × Feeling tired, Hiroshi went 〜

 

※Hiroshiという具体的な名前が消えないように工夫する。

 

 

 

<分詞構文を接続詞を使って書きかえる>

 

・分詞構文を使った文を接続詞を使って書きかえるとき、接続詞が
一つとは限らないこともある。

 

 

「Seeing the police officer, he ran away.」

 

   ↓接続詞を使って書きかえると・・・

 

「When he saw the police officer, he ran away.」

 

または

 

「As soon as he saw the police officer, he ran away.」

 

 

ただし日本語の意味が指定されている場合はその意味に合わせる。

 

 

 

次回は分詞構文の付帯状況の説明をしていきます