不定詞の慣用表現 be to happen to fail to


不定詞の慣用表現

<前回の内容>
不定詞の知覚動詞

 

前回はその前に引き続き原形不定詞に関係した「知覚動詞」を説明しました。
ポイントはこうでしたね。

 

 

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<今回のポイント>

 

Q:知覚動詞って何ですか?
A:五感に関する動詞のことで代表的なのが、
「see(見る)」「hear(聞く)」「smell(においがする)」
「taste(味がする)」「feel(感じる)」などになります。

 

 

Q:知覚動詞の使い方は?
A:「知覚動詞+目的語+原形不定詞」の順に並べて、
 「目的語が○○するのを・・・する」のように訳す。

 

例文)

 

「I heard someone call my name.」
(私は誰かが私の名前を呼ぶのを聞いた)

 

 

「She saw a boy run away when he met a police man.」
(彼女は少年が警官を見たとき走り去るのを見ました)

 

 

「She felt someone touch on her shoulder.」
(彼女は誰かが肩にふれるのを感じた)

 

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今回は「不定詞の慣用表現」を見ていきます。
不定詞シリーズがながく続きましたが、今回で一区切りです。^^;

不定詞の慣用表現の種類

ここでの慣用表現は次のものになります。

 

1. be to 〜
2. happen to 〜
3. fail to 〜
4. never fail to 〜
5. come to 〜
6. not(never) too … to 〜
7. to tell (you) the truth
8. strange to say
9. needless to say
10. to begin with

 

 

慣用表現は決まった言い方なので、ほとんどが覚えておけば使えます。

 

またこれは不定詞の慣用表現なので「to」の後ろはもちろん動詞の原形になりますよ。^^

 

 

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1. be to 〜
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最初はこの「be to」です。
「be to」の「be」はもちろんbe動詞のことなので主語や時制によ
って形を変えます。

 

 

ここで一つ覚えておいてほしいのが、
「be to」で書く文はいくつかの意味があるということです。

 

 

「予定」「命令」「義務」「可能」「運命」などを表します。
この中で主に問題集やテストで見るのは「予定」が多い気がします。

 

 

 

例文)

 

「They are to get married next year.」
(彼らは来年結婚する予定です)

 

未来を表す「next year」があるので未来の予定ということが分か
りやすいですね。他にも

 

 

 

例文2)

 

「You are to finish it by tomorrow.」
(あなたは明日までにそれを終わらせなければなりません)

 

上では「義務」のように訳していますが、この文だけでは他にも
「終える予定です」や「終えなさい」とすることもできます。

 

 

ちょっと前後の文がないのでいかようにもとれてしまい、曖昧な感
じが否めませんね。

 

 

 

例文3)

 

「Not a person was to be seen on the street.」
(通りには誰一人も見られませんでした)

 

ここで使われている「was to」という部分が「be to」になります。
この文は内容的に「可能」を表しています。

 

 

「見られませんでした」なので「見ることができませんでした」と
なっているからです。

 

 

ところで「Not a person」の言い方に馴染みがないかもしれません
ね。この文は元々は下のようになっていました。

 

 

「A person was not to be seen on the street.」

 

この中の「not」を前に出すことで強調した文にしています。
これはまた別の機会に詳しく説明することになります。

 

 

 

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2. happen to 〜
 (偶然〜する)
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例文)

 

「I happened to see my old friend when I was traveling abroad.」
(私は海外を旅行しているときに偶然古い友達に会いました)

 

 

このように使います。

 

 

 

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3. fail to 〜
(〜しそこなう)
_______________

 

 

「fail」というのは「失敗する」という意味です。
そこから

 

 

「fail to 〜」
  ↓
「〜することを失敗する」
  ↓
「〜しそこなう」

 

 

という意味につながります。

 

 

例文)

 

「He failed to do what he said he would do.」
(彼は言ったことをしそこなった)

 

 

 

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4. never fail to 〜
(必ず〜する)
_______________

 

 

上で見た「fail to 〜」が「〜しこそなう」だったので、

 

 

「never fail to 〜」
  ↓
「決して〜しそこなわない」
  ↓
「必ず〜する」

 

 

となります。
意思の固さを感じさせる表現になります。

 

 

例文)

 

「The man never fails to carry out what he says.」
(その男の人は言ったことを必ず実行します)

 

 

 

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5. come to 〜
(〜するようになる)
_______________

 

 

これは例文のみで。

 

例文)

 

「How did you come to know the truth?」
(あなたはどうやってその事実を知るようになったのですか)

 

 

 

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6. not(never) too … to 〜
(〜するのに…すぎることはない)
_______________

 

 

これのもとになっているのが

 

「too … to 〜」
(あまりに…なので〜できない)

 

 

です。
その前に「not(never)」がついているので、

 

 

「あまりに…なので〜できないことはない」

 

あるいはneverなら

 

「あまりに…なので〜できないことなど決してない」

 

 

という意味になります。

 

 

例文)

 

「It is never too late to do what you want to.」
(あなたがやりたいことをするのに遅すぎることなど決してない)

 

 

「思った時が吉日よ!」

 

というような意味ですね。

 

 

 

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7. to tell (you) the truth
(実を言うと)
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ここからは独立不定詞といって、
それだけで、独立した使い方になります。

 

 

これは決まった言い方になるのでいつでも同じ形です。
主語や時制によって何かを変える必要もないので分かりやすいです
ね。

 

 

例文)

 

「To tell (you) the truth, I am to marry Jane next month.」
(実を言うと、私は来月ジェーンと結婚する予定です)

 

 

「am to」というのは上で説明した予定を表す「be to」です。

 

 

 

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8. strange to say
(不思議な話だが)
_______________

 

 

例文)

 

「Strange to say, he met someone who was said to be dead.」
(不思議な話だが、彼は死んだと言われている人に会った)

 

 

 

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9. needless to say
(言うまでもないが)
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例文)

 

「Needless to say, the man hasn't come to her since then.」
(言うまでもないが、男はそのとき以来彼女のもとには来ていない)

 

 

 

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10. to begin with
(まず第一に)
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例文)

 

「To begin with, I must tell you what to do first today.」
(まず第一に、今日は最初に何をしなければならないのか
 言っておかなければならない)

 

 

 

はい、今回の内容はここまでです。
今回は不定詞の慣用表現でした。

 

 

慣用表現は難しいことはないのですが、
適当に覚えてしまいがちで、いざテストでは記憶が出てこないと
なりがちです。

 

 

一つひとつを整理して覚えておきましょう。
では最後にまとめとして今回の例文と意味だけをもう一度書いておきます。

不定詞の慣用表現まとめ



<不定詞の慣用表現>

 

 

「They are to get married next year.」
(彼らは来年結婚する予定です)

 

 

「You are to finish it by tomorrow.」
(あなたは明日までにそれを終わらせなければなりません)

 

 

「Not a person was to be seen on the street.」
(通りには誰一人も見られませんでした)

 

 

「I happened to see my old friend when I was traveling abroad.」
(私は海外を旅行しているときに偶然古い友達に会いました)

 

 

「He failed to do what he said he would do.」
(彼は言ったことをしそこなった)

 

 

「The man never fails to carry out what he says.」
(その男の人は言ったことを必ず実行します)

 

 

「How did you come to know the truth?」
(あなたはどうやってその事実を知るようになったのですか)

 

 

「It is never too late to do what you want to.」
(あなたがやりたいことをするのに遅すぎることなど決してない)

 

 

「To tell (you) the truth, I am to marry Jane next month.」
(実を言うと、私は来月ジェーンと結婚する予定です)

 

 

「Strange to say, he met someone who was said to be dead.」
(不思議な話だが、彼は死んだと言われている人に会った)

 

 

「Needless to say, the man hasn't come to her since then.」
(言うまでもないが、男はそのとき以来彼女のもとには来ていない)

 

 

「To begin with, I must tell you what to do first today.」
(まず第一に、今日は最初に何をしなければならないのか
 言っておかなければならない)

 

 

 

次回は動名詞の意味上の主語を説明していきます。