動名詞 慣用表現


動名詞の慣用表現

それでは前回に続いて動名詞の慣用表現の説明をしていきます。
<前回の内容>
動名詞の慣用表現その1

 

前回は動名詞の慣用表現その1として代表的なものを紹介しましたが、数が多いので今回もその続きをみていきます。

 

 

1.feel like 〜ing
 (〜したい気がする)

 

 

これは次のように使います。

 

 

例)

 

「I feel like going out.」
(私は外出したい気がします)

 

 

これは単純に「したいこと」をlikeの後ろに動名詞の形にして入れ
てあげるだけです。他にも、

 

 

 

「I feel like crying.」
(私は泣きたい気がします)
→(私は泣きたい気分です)

 

 

「I feel like throwing up.」
(私は吐きたい気がします)
→(吐きそうです)

 

 

「I don't feel like doing anything.」
(私は何もしたい気がしません)

 

 

「I don't feel like studying.」
(私は勉強したい気がしません)
→(勉強のやる気がでない)

 

 

このように使います。
けっこう日ごろ使いそうな表現が作れますね。

 

 

 

2.cannot help 〜ing
=cannot but 動詞の原形
 (〜せずにはいられない)

 

 

これは次のように使います。

 

 

例)

 

「I cannot help worrying about that.」
(私はそれを心配せずにはいられない)
→(心配で仕方がない)

 

 

このように使います。
またこれは次のように書きかえられます。

 

 

「I cannot but worry about that.」

 

 

 「cannot help 〜ing」
=「cannot but 動詞の原形」

 

 

ingになるか、動詞の原形になるかを間違えないように。
もちろん「cannot」は「can't」でも同じです。

 

 

エルビスプレスリーの有名な歌にこんな題名があります。

 

 

「I can't help falling love with you.」
(私はあなたを好きにならずにいられない)

 

 

「fall in love」で「恋に落ちる」、つまり「好きになる」という意味です。

 

 

話はそれますが、この「fall in love」で「恋に落ちる」という表現を初めて知った時、

 

 

「ゴミ箱」を漢字で書くと「護美箱」で、

 

「美(うつくしさ)」を
「護(まもる)」
「箱(はこ)」

 

となることを知った時と同じ感動をえたのを覚えています。(笑)

 

 

 

 

3.cannot(never) … without 〜ing
(〜せずには…しない、…すれば必ず〜する)

 

 

このままだとなんか分かりずらいですね。
こんな例文が作れます。

 

 

例)

 

「They can't meet without quarreling.」
(彼らは口論なしで会うことはできない)
→(彼らは会えば必ず口論をする)

 

 

この文は次のように書きかえることができます。

 

 

_______________

 

 「They can't(never) meet without quarreling.」
=「Whenever they meet, they quarrel.」
 (彼らは会えば必ず口論をする)
_______________

 

 

「Whenever」というのは複合関係副詞というもので、
「〜するときはいつでも」と「いつ〜しようとも」という意味があ
ります。

 

 

ここでは「〜するときはいつでも」の意味で使われています。

 

「Whenever they meet」で
「彼らは会えばいつでも」という意味になっています。

 

 

 

4.It goes without saying that …
 (…は言うまでもない)

 

 

これはなんかとても長いですけど、このままが構文になっています。
「that」は接続詞で後ろに「主語+動詞」が続きます。

 

that以下の内容は「言うまでもない」と訳します。

 

 

例)

 

「It goes without saying that health is above wealth.」
(健康は財産よりも大切ということは言うまでもない)

 

 

「health is above wealth」の直訳は「健康は富の上にある」とな
るのでこのような訳にしました。他にも

 

 

 

「It goes without saying that time is money.」
(時は金なりは言うまでもない)

 

「It goes without saying that I love you.」
(君を好きなのは言うまでもない)

 

 

 

このような文を作ることができます。
また「言うまでもない」は「needless to say」という言い方もあ
るので、こんな言い換えもできますね。

 

 

_______________

 

 「It goes without saying that health is above wealth.」
=「Needless to say, health is above wealth.」
 (健康は財産よりも大切ということは言うまでもない)

 

 

 「It goes without saying that time is money.」
=「Needless to say, time is money.」
 (時は金なりは言うまでもない)

 

 

 「It goes without saying that I love you.」
=「Needless to say, I love you.」
 (君を好きなのは言うまでもない)
_______________

 

 

このように言い換えることもできます。

 

 

 

5.worth 〜ing
(〜する価値がある)

 

 

次はこれです。
「worth 〜ing」

 

 

この「worth 〜ing」は「〜する価値がある」という意味になり、
「時間をかける価値がある」ことを表します。

 

例文はこうなります。

 

 

 

例)

 

「This book is worth reading.」
(この本は読む価値があります)

 

 

また、この「worth」の文はいくつか書きかえができます。

 

 

_______________

 

 「This book is worth reading.」
=「This book is worth while reading.」
=「It is worth reading this book.」
=「It is worth while reading this book.」
=「It is worth while to read this book.」
 (この本は読む価値があります)
_______________

 

 

ここで使われているItは形式主語です。
まずは基本の「worth 〜ing」の使いかたをしっかり覚えておきま
しょう。

 

 

 

6.look forward to 〜ing
(〜するのを楽しみに待つ)

 

 

最後はこれです。
「look forward to 〜ing」、例文を見てください。

 

 

 

例)

 

「I'm looking forward to seeing you again soon.」
(私はあなたにまたすぐに会えることを楽しみに待っています)

 

 

この例文では進行形になっているので「looking」になっています。
そこは問題ないと思いますが、注意点は「seeing」です。

 

 

「look forward to」の「to」は前置詞としての「to」です。
そのため後ろは動名詞の形(ing)にします。

 

 

「to」といえば不定詞を思い浮かべる人が多いでしょう。
そのため動詞の原形にしてしまう間違いに気をつけてください。
他の例文を見てみましょう。

 

 

 

例)

 

「I can't help but look forward to tomorrow.」
(明日が楽しみで仕方がない)

 

※「can't help but 動詞の原形」→「〜せずにはいられない」
「楽しみにせずにはいられない」→「楽しみで仕方がない」

 

_______________

 

「We look forward to your next visit.」
(私たちはまたのお越しをお待ちしています)

 

※「look forward to」の後ろは「名詞」なら良いので、ここでは
「your next visit」(あなたの次の訪問)という名詞がきていま
す。

 

このときは「ing」にしません。
そもそも「ing」をつける理由は、動詞のままではいけないので
動名詞という名詞の形にするためです。

 

ですから初めから名詞ならば、そのまま後ろに続けれるだけです。

 

 

「I look forward to hearing from you soon.」
(私はすぐにあなたから返事がくるのを楽しみにしています)

 

※「hear from 〜」(〜便りがある)

 

 

 

以上でおしまいです。
ここまで動名詞の慣用表現を説明してきましたがどうでしたか。

 

 

次回は分詞の基本と後置修飾の説明をしていきます。