高校英語 haveを使った受動態


受動態(haveを使った受動態)

さて前回は「They say thatの受動態」を説明しました。
この内容はもう大丈夫ですか?

 

<前回の内容>
They say thatの受動態

 

今回は「haveを使った受動態」の受動態について説明していきます。
では見ていきましょう。

haveを使った受動態とは?

今回はhaveを使った受動態の説明をしていきます。
haveには使役動詞の使い方があります。

 

 

使役動詞の使い方では「〜させる」という意味ですが、ここでは受け身的な使い方なので「〜される」、「〜してもらう」となります。

 

まずはこの使い方の場合の形を確認しましょう。

 

 

<haveの受動態>

 

形 :「have + 目的語 + 過去分詞

 

意味:被害にあう場合「〜される」
   利益になる場合「〜してもらう」

 

 

英文の形は上に書いてある通りになります。
また訳し方ですが、これも見ての通りですが、少し説明をしましょう。

 

「被害」というのは、自分にとって好ましくないことですが、そこまでの意味はなくとも通常の受動態的な内容でもこのように「〜される」と訳します。

 

「利益」というのは、上と逆で自分にとって好ましいことの場合です。

 

 

まぁ、こういった言葉の説明はなくても分かると思います。
では次に例文を見てください。

 

 

(例文)
「I had my bike stolen by someone at the station yesterday.」
(私は昨日駅で誰かに自転車を盗まれました)

 

 

自転車を盗まれるというのは盗まれた本人にしてみれば、当然好ましくないことですね。

 

ですから現在なら「〜される」、過去なら「〜された」と訳します。
この文のポイントをピックアップしてみましょう。

 

   ↓

 

「had my bike stolen」

 

「my bike」→「目的語」
「stolen」 →「過去分詞」

 

こうですね。
目的語の「my bike(私の自転車)」は盗まれたという受け身の内容なので「stolen」という過去分詞にします

 

ではもう一つ別の例文を見てみましょう。

 

 

 

(例文2)
「I had my hair cut by a beautician.」
(私は美容師に髪の毛を切ってもらいました)

 

 

今度の場合は「髪の毛を切る」という内容です
これは自分にとって嬉しいこと、つまり好ましいことになるので「〜してもらう」と訳しています。

 

また、

 

「my hair」→「目的語」
「cut」  →「過去分詞」

 

となっています。
ここでも目的語の「my hair(私の髪の毛)」は切ってもらうという受け身の内容なので「cut」は過去分詞として使っています。

 

「cut」は「cut - cut - cut」となりますが、ここでは3番目の過去分詞を使っていると考えられます。

 

 

このように「have」を使って「〜される」「〜してもらう」という意味を表すことができます。

 

 

<ポイント>
haveを使って受動態の意味をあらわすことができる。

 

ここまでは大丈夫ですか。
では次に2点確認しておきましょう。

haveを使った受動態の素朴な疑問を考えてみよう。



<疑問その1>

 

Q:「have」を使わずに、ふつうに受動態で言えないのか?
    ↓
A: 理屈では作れそうですが、ふつうは言いません。

 

 

(解説)

 

例えば上で挙げた例文で見てみましょう。

 

「I had my bike stolen by someone at the station yesterday.」
(私は昨日駅で誰かに自転車を盗まれました)

 

 

ちょっと長いので「I had my bike stolen by someone.」までにして考えます。この文をふつうに「be+過去分詞」を使って受動態にしようとすると次のようになっていきます。

 

「My bike was stolen by someone…」

 

ここまでで終われば「私の自転車は誰かに盗まれました」となって、特におかしくないですね。

 

ところが、更に「I(私は)」も入れようとすると…

 

「My bike was stolen by someone me.」

 

→???

 

のように何かおかしな文になってしまいます。
最初の例文のように「私は自転車を盗まれてしまいました」という意味を作るのはちょっと難しいですね。

 

難しいというか、強引に作ると変な文になってしまいます。

 

 

ですから、「私は誰かに自転車を盗まれてしまいました」と言いたいときには、「have」を使って「I had my bike stolen」という形で文を作ります。

 

 

<疑問その2>

 

Q:この言い方は文型でいうと何になるのか?
    ↓
A:第5文型(S+V+O+C)になります。

 

 

文型については以前解説したので覚えていると思います。
第5文型というのは「S+V+O+C」となって、文の要素がフル出動する形でしたね。

 

 

そしてこの文型の特徴は「O=C」でした。
例文で確認してみます。

 

 

「I had my bike stolen by someone at the station yesterday.」

 

I →「S]
had →「V」
my bike →「O」
stolen →「C」

 

 

文の要素はこうなっています。
ちなみに、「by」から後ろは修飾部分になります。

 

 

覚えていますか?

 

 

「前置詞から後ろは基本的に修飾語になります」

 

 

と説明したことを。
ここまでが分かると、「O=C」なので、

 

 

「my bike」=「stolen」

 

 

と言えます。

 

しかしそれでも、

 

 

「う〜ん…」

 

 

という感じで、今一つピンとこないかもしれません。
そういうときにはもう一つお話したことがありました。
それは、

 

 

「O=C」なら「O」と「C」をbe動詞でつないで意味が通じる文になるということです。

 

 

「I had my bike stolen by someone at the station yesterday.」
(私は昨日駅で誰かに自転車を盗まれました)

 

この文で、

 

 

「my bike」が「O」
「stolen」が「C」

 

 

というならこれらをbe動詞でつないで意味が通じるはずです。
そこでつないでみると、

 

 

「My bike was stolen」
(私の自転車は盗まれました)

 

 

おかしくないですね。
このようにして「O=C」を判断できます。

 

 

もう一つの例文も見てみましょう。

 

 

「I had my hair cut by a beautician.」
(私は美容師に髪の毛を切ってもらいました)

 

I →「S」
had →「V」
my hair →「O」
cut →「C」

 

 

by以下は修飾部分です。
そして「O」と「C」をbe動詞でつなぎます。

 

 

「My hair was cut」
(私の髪の毛は切られました)

 

 

おかしくないですね。
ですから、

 

「my hair」→「O」
「cut」  →「C」

 

になっているといえます。

 

 

 

このようにして第5文型という判断もできます。
今回の内容はここまでです。

 

 

 

今回はhaveを使った受動態の解説でした。
ここでは練習問題が少ないので、ここで理解したことを元に問題を解いてみて下さい。

 

 

次回は不定詞の形容詞的用法で前置詞で終わるパターンを勉強します。