第4文型と第3文型を書きかえるときの考え方
さて、前回は第4文型の説明をしました。
第4文型とは「S+V+O+O」という形になり、
最初の「O」は「間接目的語IO」とも言って「〜に」という意味になる。
後ろの「O」は「直接目的語DO」とも言って「〜を」という意味になる。
ここまでの説明をしましたね。
ここでは第4文型の文は第3文型に書きかえられることを確認していきます。
第3文型というのは「SVO」で目的語が1つだけ使われる文の形でした。上の例文をそれぞれ第3文型に書きかえてみます。
「He showed me his album.」(第4文型)
=「He showed his album to me.」(第3文型)
(彼は私に彼のアルバムを見せてくれました)
違いが分かりますか?
第3文型は次のようになっています。
「He showed his album to me.」
「S」→「He」
「V」→「showed」
「O」→「his album(彼のアルバムを)」
ここで一つ気になるのは「to me」だと思います。
「to me」は「私に」と訳しているし、どう考えればよいのか?
ここで思い出してもらいたいのが第1文型で説明した修飾語句の話です。そこでこんな話をしました。
『前置詞から後ろは修飾語句になると考えてください。』
このことから「to me」の「to」は前置詞です。
すると「to me」は修飾語句になります。
「He showed his album to me.」を文の要素に分解すると、
「S」→「He」
「V」→「showed」
「O」→「his album」
となりますが、その後ろの「to me」は前置詞の「to」から後ろは修飾語になるので文の要素にはならない。だから「S+V+O」の第3文型。
このように理解してください。
では次の文はどうでしょう?
前置詞のforを使って第3文型に書きかえる場合
「My mother made him a cake.」
=「My mother made a cake for him.」
(私の母は彼にケーキを作ってくれました)
この例文でも同じように確認していきます。
下の文が第3文型です。
「My mother made a cake for him.」
「S」→「My mother」
「V」→「made」
「O」→「a cake(ケーキを)」
そしてここでも最後の「for him」に注目してください。
これは「彼に」という意味になっていますが、ここでも「for」は前置詞なので、そこから後ろは修飾語句と考えます。
だからこの文も「SVO」の第3文型に書きかえられたと言えます。
to と for と ofの使い分け
第4文型から第3文型への書きかえは理解できたと思います。
しかし最後にもう一つだけ話しておかないといけないことがあります。
それは「toとforの使い分け」です。
上の例文の書きかえでも、
「to me」
「for him」
のようになっていましたね。
「to」なら「to」だけ。
「for」なら「for」だけ。
どちらかになっていれば分かりやすいのですが、そうはなっていません。
これは動詞によってどの前置詞を使うかが決まっています。
次のようになります。
<動詞による前置詞の種類>
for : find, choose, buy, get, make, cookなど。
of : ask
to : give, show, teach, tellなど。
大雑把にはこのようになります。
もしも「to」と「for」で迷ったら一つの判断基準があるのでお話しましょう。
「to」 →「目の前にいないとできない動詞」
「for」→「目の前にいなくてもできる動詞」
「to」:「give(与える)」「show(見せる)」「teach(教える)」は目の前に相手がいないとできないこと。
※「電話やメールで見せたり教えたりできる」とは考えないでください。英語という言語ができた頃にはないものですから。
「for」:「find(見つける)」「choose(選ぶ)」「buy(買う)」などは目の前に相手がいなくてもできること。
「(○○さんのために)見つけてあげる、選んであげる、買ってあげる」
これらはどれもその人が目の前にいなくてもできることです。
このように考えて判断することができます。
<第4文型と第3文型の書きかえ まとめ>
第4文型「S+V+IO(〜に)+DO(〜を)」
第3文型「S+V+O(〜を)」
※第3文型に書きかえるとき前置詞から後ろは修飾語句と考える)
※前置詞の「to」と「for」の判断は
「to」→「目の前に相手がいないとできない動詞のとき」
「for」→「目の前に相手がいなくてもできる動詞のとき」
次は第5文型