関係代名詞の継続用法(非制限用法)
<前回の内容>
関係代名詞のwhat
前回は「関係代名詞のwhat」を説明しました。
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<ポイント>
「関係代名詞のwhat」
→「the thing(s) that」と書きかえられる。
日本語訳:「〜こと、もの」
※特徴は先行詞を含んだ関係代名詞だということ。
「This is what I want to buy.」
(これは私が買いたいものです)
「I couldn't perfectly understand what he said.」
(私は彼が言ったことを完璧には理解できませんでした)
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今回は「関係代名詞の継続用法(非制限用法)」について説明していきます。
これまでに関係代名詞を勉強してきましたが、これまでの関係代名詞と今回の関係代名詞は少しだけ違っています。その違いをこれから説明しましょう。
関係代名詞の制限用法と非制限用法
<関係代名詞の非制限用法>
これまでの関係代名詞には実は名前がありました。
特に意識をしていなかったと思いますが、「制限用法」といいます。
例えばこんな文がありましたね。
例1)
「He had two sons who were killed in the war.」
(彼は戦争で亡くなった2人の息子がいました)
この文は問題なく理解できますよね。
「who」が関係代名詞です。
これは前にある先行詞が「two sons」、つまり“人”なので「who」を使っています。これは「that」でもOKです。
ところでこれと似ていますが、次の文を見てください。
例2)
「He had two sons, who were killed in the war.」
(彼には2人の息子がいました、そしてそれらの息子は戦争で亡くなりました)
この例文と例1)の例文の違いはsonsの後ろにコンマ「 , 」がついているかいないかだけです。しかしこの違いが大きな違いになります。
この例2)のように関係代名詞の前にコンマがつく場合を「関係代名詞の非制限用法」または「継続用法」といいます。
ここでは以後「非制限用法」という呼び方で進めていきます。
このように見た目での違いはコンマが付いているかいないかですが、中身の違いは何なのか?そこが大切です。その違いは次のようになります。
関係代名詞 非制限用法の特徴
<関係代名詞の非制限用法の特徴>
1.関係代名詞の前にコンマがつく。
2.関係代名詞から後ろは「追加情報」の役割。
3.関係代名詞のthatは使えない。
4.前の文(節)全体を指す使い方もある。
上の内容が関係代名詞の非制限用法の特徴です。
それでは一つひとつ説明していきます。
1.関係代名詞の前にコンマがつく。
「1.関係代名詞の前にコンマがつく。」
これは最初にもお話しましたが、まさに見た目の特徴です。
これに関しては「そうなんだ」と思ってもらえればOKです。
関係代名詞の前にコンマがついていたら、これから説明する下のようなことが言えると理解してください。
2.関係代名詞から後ろは「追加情報」の役割。
「2.関係代名詞から後ろは「追加情報」の役割。」
これまでの関係代名詞(制限用法)では、関係代名詞の後ろの部分が先行詞を説明していました。例1)で確認すると、
「He had two sons who were killed in the war.」
(彼は戦争で亡くなった2人の息子がいました)
この文では関係代名詞whoの後ろの「were killed in the war」が先行詞の「two sons」を修飾しています。つまり
「戦争で亡くなった」が「2人の息子」を修飾していますね。
ここで一つ確認してもらいたいのが、
「彼は戦争で亡くなった2人の息子がいました」ということは、この彼には
“戦争で亡くなっていない息子が他にもいる可能性がある”
ということです。
ここ分かりますか?
それに対して、関係代名詞の非制限用法では違います。
次に例2)を見てみましょう。
「He had two sons ,who were killed in the war.」
(彼には2人の息子がいました、そしてそれらの息子は戦争で亡くなりました)
非制限用法ではコンマの前までが『メインの内容』になります。
ですから最初の「He had two sons(彼には2人の息子がいた)」がメインの内容です。
そこに後ろから「,who were killed in the war(そしてそれらの息子は戦争で亡くなりました)」と追加説明をしています。
ということは、この彼は「息子の人数は2人」
そして「その2人の息子が2人とも戦争で亡くなった」ということを表しています。
この文は次のように書き換えることができますね。
「He had two sons, and they were killed in the war.」
関係代名詞の「who」は「and they(そして彼らは)」で書き換えられます。
これが制限用法と非制限用法の違いです。
とにかく非制限用法の場合はコンマの前までがメインの話で、その後ろが前の先行詞に追加情報をしています。
ちなみに、
使う関係代名詞は制限用法のときと同じです。
例)先行詞が人で後ろが(助)動詞なら「who」など。
3.関係代名詞のthatは使えない。
「3.関係代名詞のthatは使えない。」
次は関係代名詞ではthatが使えないという、題名そのままです。
制限用法では便利な関係代名詞としてthatがありましたね。
しかし、非制限用法ではこのthatは使えません。これもそのまま覚えておいてください。
例)
○「He had two sons ,who were killed in the war.」
×「He had two sons ,that were killed in the war.」
4.前の文(節)全体を指す使い方もある。
「4.前の文(節)全体を指す使い方もある。」
これは上のパターンと少し違ってきます。
上の例文では関係代名詞の前にある名詞が先行詞になっていました。
しかし非制限用法では関係代名詞の前にある文や節全体を指す使い方があります。次のような場合です。
例)
「I told him not to do that, which was right.」
(私は彼にそれをしないように言いましたが、それは正しかった)
関係代名詞の非制限用法はこのようになりますが、これだけではまだよく分かりずらいと思うので、もう一つ例文を見ながら説明していきます。
例2)
「Tom said he could swim, which was a lie.」
(トムは泳げると言いましたが、それはウソでした)
この文は前半で「トムは泳げる」と言っています。
そして後半ではその内容が「ウソでした」と言っています。
このように、非制限用法のwhichが前の内容全体を指すこともあることを頭に入れておいて下さい。
例3)
「Mike, who is from America, likes Japan very much.」
(マイクはアメリカ出身ですが、日本がとても好きです)
この例文ではコンマが2つありますね。
このようなパターンもよく見ます。
これも関係代名詞の非制限用法の一つです。
この例文の場合、whoの指している先行詞は前にあるMikeになります。
制限用法(コンマなしの関係代名詞)の場合はMikeのような固有名詞は先行詞にできませんが、非制限用法ではこのように固有名詞を先行詞に使うことができます。
この例文のようにコンマが2つある場合は、コンマで挟まれた部分をカッコでくくると分かりやすくなります。
「Mike (, who is from America, ) likes Japan very much.」
文の意味をとる場合はこのようにカッコでくくって、いったんカッコの部分をとりのぞいて考えます。そうすると、
「Mike likes Japan very much.」
(マイクは日本がとても好きです)
という意味が浮かび上がってきますね。
このように大まかな意味が取れたら、カッコの前にある「Mike」をカッコの部分が追加情報として補足説明しています。
「Mike /, who is from America, / likes Japan very much.」
(マイクは / アメリカ出身ですが / とても日本が好きです)
このように訳していきます。
今回は関係代名詞の非制限用法の説明をさせていただきました。
最後に今回の内容をまとめておきます。
<ポイント>
<関係代名詞の非制限用法の特徴>
1.関係代名詞の前にコンマがつく。
2.関係代名詞から後ろは「追加情報」の役割。
3.関係代名詞のthatは使えない。
4.前の文(節)全体を指す使い方もある。
次回は関係副詞の基礎の基礎を説明していきます。