分詞構文の完了形
<前回の内容>
分詞構文の否定形と受動態
分詞構文が続いていますが、今回は「分詞構文の完了」の説明をしていきます。その前に前回の復習をしましょう。
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<前回の復習>
「分詞構文の否定」
従属節が否定になっているときは「not」を残して「Not 〜ing」の
形にする。
例)
「As I don't know what to do, I will ask him for advice.」
↓
「Not knowing what to do, I will ask him for advice.」
(何をしたらいいのか分からないので、私は彼にアドバイスを求めました)
「分詞構文の受動態」
従属節が受動態になっているときは「being」となるが、通常being
は省略する。
例)
「As it is written in easy English, the book is suitable for you.」
↓
「Being written in easy English, the book is suitable for you.」
↓
「Written in easy English, the book is suitable for you.」
(簡単な英語で書かれているので、その本はあなたに適しています)
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それでは今回の内容に入っていきましょう。
今回は「分詞構文の完了形」についてです。
分詞構文の完了というのは何かを一言でいうと、
「時制のずれを表す言い方」になります。
次の例文を見てください。
例文)
「As she had heard that story before,she didn't want to hear it again.」
(彼女は以前にその話を聞いたことがあったので、それをもう一度聞きたくなかった)
この文はまだ分詞構文ではありません、ふつうに接続詞を使った文です。この文の内容を見てみると、
「As she had heard that story before,」
(彼女は以前にその話を聞いたことがあったので)
「she didn't want to hear it again.」
(彼女はそれをもう一度聞きたくなかった)
上の文と下の文、時制がずれているのが分かりますね。
上の文では「had heard」と過去完了が使われています。
下の文では「didn't hear」と過去形になっています。
過去形と過去完了が一つの文で使われたときは
「過去完了の内容は一つ古い時制、“大過去”を表す」
という決まりがありましたね。
ここでもそうなっていて、
以前に聞いた(大過去)→だからまた聞きたくない(過去)
となっています。
このように時制がずれているときに分詞構文を使って書きかえるにはどうするのか?というのが今回の内容です。
それではもう一度上の例文を見てみましょう。
分詞構文の完了形 having+過去分詞
例文)
「As she had heard that story before,she didn't want to hear it again.」
(彼女は以前にその話を聞いたことがあったので、それをもう一度聞きたくなかった)
分詞構文で時制がずれていることを表す時には、「having + 過去分詞」という形を使います。この形(having + 過去分詞)が使われていたら、
「あぁ、この文は時制がずれているんだなぁ。」
「having + 過去分詞になっている内容は大過去の内容なんだなぁ。」
と考えるようにして下さい。
では例文を分詞構文を使って書きかえてみます。
<分詞構文で書きかえるとこうなる>
「As she had heard that story before,」
→「Having heard that story before,」
(彼女は以前にその話を聞いたことがあったので、)
「she didn't want to hear it again.」
→変化なし
(それをもう一度聞きたくなかった)
こうなります。
「As she had heard」が「Having heard」と変わります。
・接続詞が消える。
・主語も消える。
・had heardの部分を「Having heard」に変える。
このようにします。
こうして書きかえた文がこれです。
「Having heard that story before, she didn't want to hear it again.」
ここまでは良いですか?
一つ問題を解いてみましょう。
分詞構文の完了形 練習問題
(練習問題)
「After I had finished my homework, I went to bed.」
この文を分詞構文を使って書きかえてみます。
念のため確認をしますが、この文は
従属節が「had finished」で過去完了形。
主節が「went」で過去形。
つまり時制がずれています。
意味は、
「私は宿題を終えたあとに、寝ました」
「宿題をした」方が「寝た」よりも先にやっているので時制がずれていることになりますね。
では上と同じように考えます。
・接続詞が消える。
→「After」を消す。
・主語も消える。
→「I」を消す。
そして「had finished」の部分が「Having finished」と変わります。よって正解は・・・
「Having finished my homework, I went to bed.」
(私は宿題を終えたあとに、寝ました)
こうなります。
それでは次の例文も見てみましょう。
こんな場合はどうしますか?
例文2)
「As my father worked hard yesterday, he is still sleeping.」
(私の父は昨日一生懸命働いたので、まだ寝ています)
今度の例文はどうでしょう。
ここでは「had + 過去分詞」の過去完了は使われていません。
しかし、
従属節は「過去形」
主節は「現在(進行)形」
とやはり時制がずれています。
時制がずれいているのならやはり分詞構文では「Having + 過去分詞」を使います。
この例文は次のように書きかえることができます。
「Having worked hard yeseterday, my father is still sleeping.」
この例文から分かることは、分詞構文の完了(having + 過去分詞)は元の文が「had + 過去分詞」となっているときだけではなく、
とにかく「時制がずれているとき」にはこの形にするということです。
このことを頭に入れておきましょう。
それでは今回はここまでにします。
最後に今回のポイントをまとめておきます。
分詞構文の完了形のまとめ
<ポイント>
「分詞構文の完了」
形 :「having + 過去分詞」
意味:「時制のずれを表す」
例)
「As she had heard that story before,she didn't want to hear it again.」
(彼女は以前にその話を聞いたことがあったので、それをもう一度聞きたくなかった)
↓
「Having heard that story before, she didn't want to hear it again.」
※時制の古い内容(ここではhad heard)を「Having heard」に変
える。
※分詞構文の完了は元の文が必ずしも過去完了が使われているわけ
ではなく、過去形と現在形のような場合でも使われる。
次回は独立分詞構文について説明していきます。