不定詞の文で、最後に前置詞がくる場合
<前回の内容>
haveを使った受動態はこちら。
それでは今回の内容を見ていきましょう。
今回から不定詞の説明をしていきます。
不定詞といえば、中学英語でも勉強してきました。
基本3用法という○○用法というのが3つありましたね。
- 名詞的用法
- 形容詞的用法
- 副詞的用法
この3つです。
ここでは中学英語の内容は細かく触れません。
もしもここから復習をしたい人は下のサイトで確認をしてください。
中学英語の勉強法 不定詞の名詞的用法
中学英語の勉強法 不定詞の形容詞的用法
中学英語の勉強法 不定詞の副詞的用法
上のサイトでは中学英語レベルの不定詞を説明しています。ここではそれに足りない内容を最初に補足していきます。
形容詞的用法で前置詞で終わる言い方
今回から数回にわたって不定詞の説明をしていきますが、最初は不定詞の形容詞的用法で、前置詞で終わる言い方を解説していきます。
例えば次のような文です。
(例文)
1.「I don't have a chair to sit on.」
(私は座るための椅子がありません)
2.「I don't have any friends to talk with.」
(私は話をする友達が一人もいません)
これらの例文を見てもらうと分かりますが、不定詞のto+動詞の原形の後ろに前置詞がつく形でおわっています。
ここで次の例文と比べてみてください。
(例文)
3.「Do you have a book to read?」
(あなたは読む(ための)本を持っていますか)
この例文には不定詞の後ろに前置詞がありません。
どうしてこういう違いが出てくるのでしょう?
次のように考えてください。
3.「Do you have a book to read?」
↓下の部分に注目
「a book」「to read」
↓前後を入れかえると
「to read a book」
↓
「read a book」
↓
意味が通じる
このように考えていくと分かりますが、readの後ろには前置詞がなくてもa bookにつなげることができます。
次に最初の例文をもう一度見て下さい。
1.「I don't have a chair to sit on.」
(私は座るための椅子がありません)
2.「I don't have any friends to talk with.」
(私は話をする友達が一人もいません)
どちらの例文でも最後に「on」や「with」という前置詞がついていますが、これらの例文でも文を分解して考えてみると、
1.「I don't have a chair to sit on.」
↓下の部分に注目
「a chair」「to sit on」
↓前後を入れかえると
「to sit on a chair」
↓
「sit on a chair(椅子にすわる)」
↓
意味が通じる
2.「I don't have any friends to talk with.」
↓下の部分に注目
「friends」「to talk with」
↓前後を入れかえると
「to talk with friends」
↓
「talk with friends(友達と話をする)」
↓
意味が通じる
この「sit on a chair」や「talk with friends」のように、それぞれ「on」や「with」を入れてあげると意味が通じる内容になります。もしもこれらの前置詞を入れないと意味が通じなくなってしまうのが分かりますか?
「sit a chair」←×
「talk friends」←×
違いが分かりますか?
「read a book(本を読む)」は「read」と「a book」の間に前置詞はいりません。
しかし「sit on a chair」や「talk with friends」にはそれぞれ「on」や「with」という前置詞がないと意味が通じなくなってしまいます。そのため前置詞を入れているのです。
ここまでの話で分かったような分からないような感じでしょうか。
では違った角度からもう少し説明したいと思います。
他動詞と自動詞の違いを知ろう
動詞には「他動詞」と「自動詞」という種類があります。
<他動詞と自動詞>
「他動詞」→すぐ後ろに目的語を続けられる。
「〜を」をつけても意味がおかしくない。
例)visit Hokkaido(北海道を訪ねる)
visitは「〜を訪ねる、〜を訪問する」
「自動詞」→前置詞を間にはさまないと目的語を続けられない。
例)go to Hokkaido(北海道に行く)
goは「行く」
このように他動詞は後ろに目的語を続けられる動詞で「〜を」をつけられます。
それに対して自動詞は「〜を」をつけるとおかしくなってしまいます。
上の例で「go」は「行く」ですが、「〜を行く」とはいいませんね。
このように判断してもらうと分かりやすいと思います。
ここで元の話に戻りますが、
「read」は「〜を読む」となるので「他動詞」です。
他動詞はすぐ後ろに目的語を続けられるので「read a book」と言ってもおかしくありません。
ですから不定詞を使うときでも「a book to read」といいます。
それに対して「sit(すわる)」や「talk(話す)」は自動詞です。
自動詞は前置詞を間にはさまないと目的語を続けられないので、
「sit on a chair」
「talk with friends」
となります。
ですから不定詞でも
「a chair to sit on」
「friends to talk with」
となるのです。
日本語だけで考えると別に前置詞はあってもなくてもどちらでも良いと感じてしまうかもしれません。
しかし、このように、自動詞と他動詞の違いが分かれば、どんなときに前置詞が必要になるのかも理解できると思います。
<ポイント>
動詞には「他動詞」と「自動詞」がある。
「他動詞」は直接後ろに目的語を続けられるので前置詞はいらない。
→「a book to read」(読むための本)
※「read a book」と言えるから。
「自動詞」は前置詞をはさんで目的語を入れる。
→「a chair to sit on」(すわるための椅子)
※「sit on a chair」と言うから。
前置詞で終わる不定詞の練習問題
では最後に問題を考えてみましょう。
(練習問題)
1.「私は何か飲み物(飲むための何か)が欲しい」
2.「私は住むための新しい家が欲しい」
では考えてみましょう。
1番の問題からです。
「私は何か飲み物(飲むための何か)が欲しい」
これは次のように考えてみます。
「私は /飲むための / 何かが / 欲しい」
↓
「私は / 欲しい / 何かが / 飲むための」
↓
「I / want / something / to drink」
↓
「I want something to drink.」
こうなります。
ここで確認のためにちょっと聞いてください。
ここで使われている「drink」は「〜を飲む」という他動詞です。
ですから「drink something(何かを飲む)」というつなげ方ができます。よって「drink」の後ろには何の前置詞も必要ありません。
正解)
「I want something to drink.」
(私は飲むための何か(何か飲み物)が欲しい)
次に2番の問題です。
これも同じように考えていきます。
「私は住むための新しい家が欲しい」
「私は / 住むための / 新しい家が / 欲しい」
↓
「私は / 欲しい / 新しい家が / 住むための」
↓
「I / want / a new house / to live in」
↓
「I want a new house to live in.」
これが正解です。
今度は最後に「in」という前置詞が入りました。
もう分かりますね。
これは「live」は自動詞なので、「live in a new house」のように「in」がないと「live」と「a new house」がつなげなくなってしまうからです。
正解)
「I want a new house to live in.」
(私は住むための新しい家が欲しい)
はい、今回は不定詞の形容詞的用法で前置詞がつく場合の考え方を説明しました。
次回は不定詞の副詞的用法 結果用法、判断の根拠の説明をしていきます。