分詞 叙述用法 主語+動詞+目的語+分詞 目的格補語


分詞の叙述用法

<前回の内容>
分詞の叙述用法その1(主語+動詞+分詞)

 

前回は「1.主語 + 動詞 + “分詞”として使う場合」の説明をしました。

 

ポイントは「文の一般動詞をbe動詞に置きかえてみる」ということでしたね。

 

_______________

 

「He stood looking up the moon.」の意味は?

 

   ↓「stood」を「was」に変えて意味を確認。

 

「He was looking up the moon.」
(彼は月を見上げていました)

 

   ↓ この日本文に「stood」の意味をプラスすると、

 

「彼は月を見上げて立っていました」
_______________

 

 

今回は「2.主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”として使う場合」の説明をしていきます。

主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”として使う場合(目的格補語)

【2.主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”として使う場合】

 

前回の場合は、主語の内容を補足するので「主格補語」といいましたが、今回は目的語の内容を補足するので「目的格補語」といいます。

 

 

ただこのような文法用語はそれほど気にしなくてもいいと思います。
それよりも使い方になれる方がよっぽど大切です。

 

 

ですから今回も例文を使ってできるだけイメージしやすいように説明していきますね。

分詞の目的格補語の例文1



例1)
「I heard someone calling my name.」
(私は誰かが私の名前を呼んでいるのを聞きました)

 

 

この文がそうです。
注目してもらいたいのは、ここで使われている動詞は「知覚動詞」
ということです。知覚動詞というのは、以前に不定詞でも説明しま
した。

 

 

「see, watch」
→「見る」

 

「hear, listen」
→「聞く」

 

「smell」
→「においがする」

 

「taste」
→「味がする」

 

「feel」
→「感じる」

 

 

このような五感に関する動詞のことを知覚動詞といいました。
今回の目的格補語になるパターンの一つ目は、この知覚動詞を使っ
て後ろに分詞が来る場合になります。

 

 

_______________

 

「I heard someone calling my name.」
(私は誰かが私の名前を呼んでいるのを聞きました)
_______________

 

 

この例文を分解してみると、

 

「I」
→主語(S)

 

「heard」
→動詞(V)

 

「someone」
→目的語(O)

 

「calling」
→補語(C)

 

 

こういう関係になっています。
つまり「SVOC」の第5文型になっているのです。
第5文型の特徴は「O=C」でしたね。

 

 

上の文の場合でいえば「someone」=「calling」となりますが、今一つ意味が分かりずらいです。

 

 

別の考え方でいうと、OとCの間にbe動詞をはさんで考えても良いと言えます。OとCはイコールですから等しいことを表す「be動詞」でつなぐことができるのです。そうすると、

 

 

「Someone is calling」
(誰かが呼んでいます)

 

 

こう考えられると意味が見えてきます。
つまり

 

 

「I heard」
→「私は聞きました」

 

「someone calling」
→「誰かが呼んでいるのを」

 

「my name」
→「私の名前を」

 

   ↓

 

「I heard someone calling my name.」
(私は誰かが私の名前を呼んでいるのを聞きました)

 

 

このように考えます。
他の例文も見てみましょう。

分詞の目的格補語の例文2

例2)
「I saw someone crossing the street.」
(私は誰かが通りを横切っているところを見ました)

 

これも同じように考えます。

 

 

「I saw」
→「私は見た」

 

「someone crossing」
→「誰かが横切っているのを」

 

「the street」
→「通りを」

 

   ↓

 

「I saw someone crossing the street.」
(私は誰かが通りを横切っているところを見ました)

 

 

ここまではいいですか。
では次に現在分詞の部分(Cの部分)が過去分詞になる例文を見て
みましょう。

分詞の目的格補語の例文3

例3)
「I heard my name called by someone.」
(私は誰かに名前を呼ばれるのを聞いた)

 

 

過去分詞に変わっても考え方は同じです。
ポイントは、

 

 

「my name」
→「O」

 

「called」
→「C」

 

 

「O=C」だからbe動詞を補って考えると、

 

「My name is called」
(私の名前は呼ばれます)

 

という関係になっているところです。
これをふまえて文を読み解いていくと、

 

 

「I heard」
→「私は聞きました」

 

「my name called」
→「私の名前が呼ばれるのを」

 

「by someone」
→「誰かによって」

 

   ↓

 

「I heard my name called by someone.」
(私は誰かに名前を呼ばれるのを聞いた)

 

 

 

このように考えれば難しくないですね。
他にも例文を見てみましょう。

分詞の目的格補語の例文その他

例4)
「I had my car fixed by him.」
(私は彼に車を修理してもらいました)

 


「my car」(O)=「fixed」(C)
「my car」は「修理をしてもらう」関係なので過去分詞。

 

 

例5)
「You mustn't keep a lady waiting.」
(あなたは女性を待たせ続けてはいけません)

 


「a lady」(O)=「waiting」(C)
「a lady」が「待っている」という関係なので現在分詞。

 

 

例6)
「She kept her eyes closed.」
(彼女は目を閉じたままだった)

 


「her eyes」(O)=「closed」(C)
「her eyes」は「閉じられる」という関係なので過去分詞。

分詞の叙述用法 目的格補語のまとめ

(ポイント)

 

「主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”として使う場合」

 

「SVOC」となるので「O=C」に注目する。

 

    ↓

 

「O」=「C」の場合「be動詞でつなぐ」と分かりやすくなる。

 

    ↓

 

「I heard someone calling my name.」
(私は誰かが私の名前を呼んでいるのを聞きました)

 

→「O」(someone)、「C」(calling)

 

「Someone is calling.」
(誰かが呼んでいる)

 

この関係がある。
また、「called」ではなく「calling」になる理由も分かるはず。
「誰か」が「呼ぶ」という動作をしている能動の関係にあるから。

 

 

逆に…、

 

 

「I heard my name called by someone.」
(私は誰かに私の名前を呼ばれているのを聞いた)

 

この文では「called」が使われている。
これは「my name」が誰かに「呼ばれている」という受動の関係だから。

 

 

今回の内容は以上になります。
「補語に分詞がくる」なんて言われると難しく感じるかもしれませんが、このように考えてもらえればそれほどでもないですよね。

 

 

次回は分詞の慣用表現を見ていきます