分詞の叙述用法
<前回の内容>
分詞の基本、後置修飾
前回は「分詞の基本と後置修飾」の説明をしました。
おおまかな内容はこうでした。
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・分詞だけで修飾するとき
→分詞 + 名詞
・分詞以外の語もついて修飾するとき
→名詞 + 分詞 + その他の語
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ポイントだけを書くとこんな内容でした。
今回は「分詞の叙述用法」について説明していきます。
分詞の叙述用法 主格補語(主語+動詞+分詞の場合)
<分詞の叙述用法(主格補語)>
分詞の叙述用法なんていうと難しく感じますね。
次のような場合に使われる分詞のことをいいます。
1.主語 + 動詞 + “分詞”として使う場合。
2.主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”として使う場合。
今回はこの中の1番について説明します。
【1.主語 + 動詞 + “分詞”として使う場合】
次の例文を見てください。
例)
「He stood looking up the moon.」
(彼は月を見上げながら立っていました)
この文の形は「主語 + 動詞 + “分詞”」になっていますね。
「He」
→「主語」
「stood」
→「動詞」
「looking」
→「(現在)分詞」
このような使い方の文を叙述用法といいます。
文法的にいうと分詞が「補語」の役割をしているもののことです。
しかも主語の補語になっているので「主格補語」といいます。
まぁ、名前は置いといて。
主語動詞の後ろに「分詞」がきている形ということです。
では次にもう一つの例文を見てください。
例2)
「He was looking up the moon.」
(彼は月を見上げていました)
これは「be動詞 + ing」となっているので過去進行形です。
「〜していました」と訳すもので、中学校で習った内容ですね。
この文と最初の例文を比べてください。
「He stood looking up the moon.」
「He was looking up the moon.」
違いは動詞だけですね。
つまり、「分詞の主格補語になる叙述用法」などと難しく考えないで、このような文が出てきたら
“一般動詞をbe動詞に置きかえてまずザックリとした意味を確認する。そのあと、一般動詞の意味を加える。”
こう考えると難しくないと思います。
もう一度上の文で確認すると、
「He stood looking up the moon.」の意味は?
↓「stood」を「was」に変えて意味を確認。
「He was looking up the moon.」
(彼は月を見上げていました)
↓ この日本文に「stood」の意味をプラスすると、
「彼は月を見上げて立っていました」
このように順序立てて考えていけます。
もう一つ例文を挙げて説明しましょう。
例3)
「She sat surronded by her grandchildren.」の意味は?
上で説明したのと同じように考えていきます。
「She sat surronded by her grandchildren.」
↓まずは「sat」を「was」に変えて意味を確認。
「She was surronded by her grandchildren.」
(彼女は孫に囲まれていました)
↓ この日本文に「sat」の意味をプラスすると、
「彼女は孫に囲まれて座っていました」
意外と簡単ではないですか?
このような使い方をする動詞は他にも次のようなものがあります。
「keep」 (〜し続ける)
「remain」(〜のままでいる)
「lie」 (横になる)
「come」 (来る)
「walk」 (歩く)
「主語 + 動詞 + “分詞”」の文が出てきたときには、このように考えてみてください。
ポイントは「文の一般動詞をbe動詞に置きかえてみる」ということです。
次回は分詞の叙述用法 目的格補語(主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”の場合)を説明していきます。