分詞 叙述用法 主語+動詞+分詞 主格補語


分詞の叙述用法

<前回の内容>
分詞の基本、後置修飾

 

前回は「分詞の基本と後置修飾」の説明をしました。
おおまかな内容はこうでした。

 

_______________

 

・分詞だけで修飾するとき
→分詞 + 名詞

 

・分詞以外の語もついて修飾するとき
→名詞 + 分詞 + その他の語
_______________

 

 

ポイントだけを書くとこんな内容でした。
今回は「分詞の叙述用法」について説明していきます。

分詞の叙述用法 主格補語(主語+動詞+分詞の場合)

<分詞の叙述用法(主格補語)>

 

分詞の叙述用法なんていうと難しく感じますね。
次のような場合に使われる分詞のことをいいます。

 

 

 

1.主語 + 動詞 + “分詞”として使う場合。
2.主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”として使う場合。

 

 

今回はこの中の1番について説明します。

 

 

【1.主語 + 動詞 + “分詞”として使う場合】

 

 

次の例文を見てください。

 

 

例)
「He stood looking up the moon.」
(彼は月を見上げながら立っていました)

 

 

この文の形は「主語 + 動詞 + “分詞”」になっていますね。

 

「He」
→「主語」

 

「stood」
→「動詞」

 

「looking」
→「(現在)分詞」

 

 

このような使い方の文を叙述用法といいます。
文法的にいうと分詞が「補語」の役割をしているもののことです。
しかも主語の補語になっているので「主格補語」といいます。

 

 

まぁ、名前は置いといて。
主語動詞の後ろに「分詞」がきている形ということです。

 

 

では次にもう一つの例文を見てください。

 

 

例2)
「He was looking up the moon.」
(彼は月を見上げていました)

 

 

これは「be動詞 + ing」となっているので過去進行形です。
「〜していました」と訳すもので、中学校で習った内容ですね。
この文と最初の例文を比べてください。

 

 

「He stood looking up the moon.」
「He was looking up the moon.」

 

 

違いは動詞だけですね。
つまり、「分詞の主格補語になる叙述用法」などと難しく考えないで、このような文が出てきたら

 

 

“一般動詞をbe動詞に置きかえてまずザックリとした意味を確認する。そのあと、一般動詞の意味を加える。”

 

 

こう考えると難しくないと思います。
もう一度上の文で確認すると、

 

 

「He stood looking up the moon.」の意味は?

 

   ↓「stood」を「was」に変えて意味を確認。

 

「He was looking up the moon.」
(彼は月を見上げていました)

 

   ↓ この日本文に「stood」の意味をプラスすると、

 

「彼は月を見上げて立っていました」

 

 

このように順序立てて考えていけます。
もう一つ例文を挙げて説明しましょう。

 

 

 

例3)
「She sat surronded by her grandchildren.」の意味は?

 

 

上で説明したのと同じように考えていきます。

 

 

 

「She sat surronded by her grandchildren.」

 

   ↓まずは「sat」を「was」に変えて意味を確認。

 

「She was surronded by her grandchildren.」
(彼女は孫に囲まれていました)

 

   ↓ この日本文に「sat」の意味をプラスすると、

 

「彼女は孫に囲まれて座っていました」

 

 

 

意外と簡単ではないですか?
このような使い方をする動詞は他にも次のようなものがあります。

 

「keep」 (〜し続ける)
「remain」(〜のままでいる)
「lie」  (横になる)
「come」 (来る)
「walk」 (歩く)

 

 

「主語 + 動詞 + “分詞”」の文が出てきたときには、このように考えてみてください。

 

 

ポイントは「文の一般動詞をbe動詞に置きかえてみる」ということです。

 

 

次回は分詞の叙述用法 目的格補語(主語 + 動詞 + 目的語 + “分詞”の場合)を説明していきます。