助動詞 + have + 過去分詞
それでは前回、前々回に続いて助動詞の続きです。
<助動詞 + have + 過去分詞>
- may have + 過去分詞
- must have + 過去分詞
- cannot have + 過去分詞
- should have + 過去分詞
はい、これはどれも似た使い方になっています。
助動詞の後ろに「have + 過去分詞」が続いています。
この使い方になると、どれも「過去のこと」を表しています。
具体的に意味と例文を見てみましょう。
may have + 過去分詞
- may have + 過去分詞
(〜だったかもしれない)
例文)
「You may have seen a ghost.」
(あなたは幽霊を見たのかもしれない)
「She may have told that I could attend the meeting.」
(彼女はその会議に私が出席できると言ったかもしれない)
過去のことを推測する言い方で使います。
must have + 過去分詞
- must have + 過去分詞
(〜だったに違いない)
例文)
「I must have lost my wallet when I went to the theater.」
(私はその映画館に行ったときに財布をなくしたに違いない)
「He must have been tired because he had driven a car all the way to Hokkaido.」
(彼は、はるばる北海道まで運転したので疲れていたに違いない)
この「must have + 過去分詞」の言い方も過去のことに対する推測です。
「(あのとき)○○だったに違いない」という意味を表す時に使います。
cannot have + 過去分詞
- cannot have + 過去分詞
(〜だったはずがない)
例文)
「You cannot have been there at that time.」
(あなたはそのときそこにいたはずがない)
“あなたは同じ時間に友達と別の場所にいたんだから、そのときにそこにいたはずがないでしょう!”
というようなときの表現です。
「My son cannot have done such a thing.」
(私の息子がそんなことをしたはずがありません)
自分の息子を信じて疑わないお母さんが言いそうなセリフですね。
should have + 過去分詞
- should have + 過去分詞
(〜すべきだったのに〔しなかった〕)
例文)
「You should have finished your homework by yesterday.」
(あなたは昨日までに宿題を終わらせておくべきだったのに)
やろう、やろうと思っていたのにズルズルと延ばしてしまった。
そのため宿題が終わっていなくて怒られるときのセリフのようです。
mayを使った慣用表現
最後はとても似たような言い方で、紛らわしいものです。
一つひとつの使い方は難しくありませんが、混ざってしまい、いつも意味を忘れてしまいがちです。
- may well
(〜するのももっとも〔当然〕だ)
(たぶん〜するだろう)
例文)
「You may well think so.」
(あなたがそう考えるのももっともだ)
「He may well be surprised at the news.」
(彼はその知らせに驚くのももっともだ)
「It may well not be true.」
(それは本当ではないだろう)
- may as well
(〜した方がよい)
例文)
「You may as well start as soon as possible.」
(できるだけすぐに出発した方がよい)
「You may as well ask your teacher about the question later.」
(あなたはあとでその質問について先生に尋ねたほうがいいよ)
「〜した方がよい」という言い方は「had better 〜」の方をよく知っていると思います。
「had better」とこの「may as well」は何が違うのか?
日本語の訳ではどちらも同じになりますが、
“勧める強さが違う”
ということです。
「had better」はかなり強制する言い方です。
日本でよく言う「上から目線」の言い方に近いと思います。
頻繁に使うと言われた方はうっとうしい印象を受けがちになります。
それに対して、この「may as well」は
“しないよりはした方がいいんじゃない”
という感じの表現で、とても控えめです。
「俺が勧めているんだからやれよ!」なんていうニュアンスは微塵もありません。
このように「had better」と「may as well」。
どちらも「〜した方がよい」と訳しますが、強制する強さに違いがあることも覚えておくとさらに細かいニュアンスまで分かって面白いかもしれません。
ちなみに「might as well」というのもあります。
「might」は「may」の過去形ですが、さらに控えめな表現になります。
今回はここまでです。
次回は「受動態(未来形、進行形、完了形)」