動名詞 完了形 否定形


動名詞の完了形と否定形

<前回の内容>
動名詞の意味上の主語

 

前回は「動名詞の意味上の主語」の説明をしました。
ポイントはこうでしたね。

 

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(ポイント)

 

動名詞の意味上の主語とは、

 

“動名詞の動作を、
主語と別の者が行う場合、
動名詞の前に入れてあげる”

 

 

「Would you mind my(me) smoking here?」
(ここで私はタバコを吸ってもいいですか)

 

 

「Would you mind」
→「あなたは気にしますか」
(気にするのはあなた)

 

「my smoking」
→「私はたばこを吸う」
(タバコを吸うのは私)

 

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さて、今回は「動名詞の完了形」と「動名詞の否定形」の説明をしていきます。まずは「動名詞の完了形」から始めましょう。

動名詞の完了形とは?

「動名詞の完了形」というのは動詞の時制よりも動名詞の動作の方が一つ古くなることを表すものです、次の例文を見てください。

 

「The statesman denied having received the money.」
(その政治家はお金を受け取ったことを否定しました)

 

 

この中の「having received」というのが動名詞の完了形の部分です。

 

この「having + 過去分詞」で表すことで主語の時制よりも一つ古いことを表しています。

 

 

では主語の時制はどうなっているでしょう。

 

 

「The statesman denied」で「その政治家は否定しました」ですから過去です。

 

 

つまり、

 

 

「The statesman denied」
→「その政治家は否定した」
→「過去」

 

「having received the money」
→「お金を受け取った」
→「大過去」

 

   ↓

 

「(その昔)お金を受け取ったことを、(過去に)否定した」

 

 

このような関係になっています。
ちなみになぜここで動名詞を使う必要があるかというと、文の動詞が「deny(否定する)」で、これは後ろに動名詞をとる動詞だからです。

 

 

 

「The statesman denied」
(その政治家は否定した)

 

   ↓

 

・「deny」は後ろに動名詞をとる動詞。
・「時制を一つ古くする」

 

このために

 

   ↓

 

「having received the money」
(お金を受け取った)

 

 

このような流れで考えてください。

不定詞の完了形を思い出しましょう



ところで、ここでまた不定詞の話をしますが不定詞にも同じように時制が一つ古くなる言い方がありましたね。それが、

 

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「不定詞の完了形」
形:to have + 過去分詞
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これでした。
ひんぱんに不定詞の話を出していますが、不定詞と動名詞にはこのように似たものがあります。

 

 

それとの関係を確認しながら進めていった方が理解も深まるので、ちょくちょく出していきますね。

 

 

もう一つ例文を見ましょう。

 

 

「I'm proud of having won the race.」
(私はそのレースで勝ったことを誇りに思います)

 

 

「I'm proud」
(私は誇りにしている)
※be動詞が現在形なので、時制は「現在」

 

 

「having won the race」
(そのレースに勝った)
※文の時制が現在なので、一つ古いから「過去」

 

 

こうなります。

動名詞の否定形とは?

次に「動名詞の否定」の説明をします。
動名詞の否定というのは、動名詞の内容を否定するものです。
例文を見てください。

 

 

「He insisted on not going there.」
(彼はそこに行かないことを主張しました)

 

 

否定の意味を表す「not」は“否定したい内容の前”に置きます。
この例文でも「not going」となっているので「going」を否定していることが分かりますね。

 

 

「He insisted」
(彼は主張した)

 

「not going there」
(そこに行かないことを)

 

 

こうなっています。

 

 

ここで再び不定詞の話を持ち出しますが、不定詞の否定はどうだったでしょう。

 

 

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「不定詞の否定」
形:not to 〜
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こうでしたね。
ここでも不定詞の「to 〜」が動名詞の「〜ing」に変わっただけになります。

 

 

 

もう一つ例文を見てみましょう。
今度は少し長いですよ。

 

 

「My mother is always complaining of not having enough timeto enjoy herself when she was young.」

 

(私の母は若いときに楽しむ時間が十分になかったことにいつも不平を漏らしています)

 

 

この文を分解してみていきます。

 

 

「My mother is always complaining」
(私の母はいつも不平を漏らしています)

 

→ここの「complaining」は「is complaining」となる進行形です。
これは動名詞の「ing」ではありません。

 

 

「of not having enough time」
(十分な時間を持っていなかったこと)

 

→ここがポイントの部分です。
「not having」が動名詞の否定です。

 

またここで使われている「having」は「having + 過去分詞」のそれではないので気をつけましょう。

 

ここでは単純に「持っている」という意味の「have」が動名詞になって「having」となっているだけです。

 

 

「to enjoy herself when she was young.」
(彼女が若いときに楽しむための)

 

→ここの説明はいらないですね。
「enjoy」は目的語をとるので自分が楽しむというときは、
「enjoy 〜self(複数なら〜selves)」となります。

 

 

 

さらにもう一つつけ加えると、
不定詞のところで「notをneverに代えると二度と〜ないになる」というものがありました。

 

 

これも動名詞にも言えます。
先ほどの例文で書きかえると、

 

 

「He insisted on never going there.」
(彼は二度とそこに行かないことを主張しました)

 

 

こうなります。
今回はここまでです。
最後にポイントをまとめておきましょう。

動名詞の完了形と否定形のまとめ

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(ポイント)

 

動名詞の完了形とは。

 

文の動詞よりも時制が一つ古いことを表す場合の言い方。
形:「having + 過去分詞」

 

 

動名詞の否定とは。

 

動名詞の動作を否定する言い方。
形:「not 〜ing」

 

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以上、今回はここまでです。
次回は動名詞の受動態を説明していきます。